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Kunio Tsunashima / 綱島 邦夫

綱島 邦夫
Kunio Tsunashima
シニアアドバイザー

担当領域
経営人材の登用と育成、大企業における組織・人材力の強化の為のスキーム、手法、及びノウハウの開発を主要なテーマとして、米国、欧州、アジアにまたがるグローバルな調査・研究とコンサルティング活動を進めている。

経歴
日系金融機関、米系戦略コンサルティングファーム、人材系コンサルティングファームを経て独立。

慶応義塾大学経済学部卒業
ペンシルベニア大学経営大学院(MBA)修了

戦後の日本に品質管理を導入した故デミング博士は、「日本に本当に伝えたものは、システムとコラボレーションのコンセプトであった。品質管理を教えたのは、その為の手段であった。」という趣旨の発言をされていたようです。責任を担う意志を持つ個人が、自分の仕事と他人の仕事のつながりを意識し、チームとして目指すべき成果目標を認識し、協力して学習し、新しい知恵を生み出す組織と人材の環境を確立する事がデミング博士の目的であったと言えます。
この考え方は当時のアメリカではほとんど受け入れられませんでした。1900年代の初頭から受け継がれたテーラーシステム(科学的管理法)が企業人の考え方を支配していたからです。科学的管理法とは、現場で働く人達の考えや知恵に頼るのではなく、全体を見渡す事のできる経営者と優秀な参謀が仕事のやり方や課業を科学的に設定し、現場の人達は決められた事を確実に真面目に実行するというものです。
しかし、デミング博士の考え方を取り入れた日本企業は1980年代に入ると、世界を席巻する力を見せ始めました。逆に、アメリカの企業は、混迷と沈滞の時代を迎えるようになったのです。80歳という高齢で引退をしていたデミング博士は、突然、アメリカで有名人となり、かつて日本で伝道したシステムとコラボレーションの概念をアメリカ企業に普及させる事に晩年を捧げられたと言われています。
このデミング博士の思想は、1990年代に入ると多くの企業に浸透を始めました。MIT教授のピーター・センゲは、この組織原理をLearning Organizationというコンセプトにまとめ、一層の普及に努めています。アーサー・D・リトル社は、ピーター・センゲの活動に協力し、イノベーションを生み出す組織と人材環境の開発を1つのコンサルティング領域として発展させ、その為の理論とプロセス、方法論とツールを開発しています。
多くの日本企業が忘れてしまった「責任を自覚する個人がシステムを理解し、コラボレーションを通じて創造性を発揮する」という組織原理の復活に向けて貢献をしたい、これが私の願いです。